孤高のエリート社長は契約花嫁への愛が溢れて止まらない
 それじゃ、社長さんと気軽に話ができる雰囲気なのかな。

 豪奢なホテルの雰囲気に硬くなっていた体が少しだけ緩んだ。エレベータを降り、深水さんに案内されるまま絨毯敷きの廊下を進んでいく。

「こちらです」

 カードキーをかざして深水さんが扉を開くと、私の知っている『ホテルの一室』とはかけ離れた空間が目の前に広がった。

 真っ先に目に飛び込んできたのは空だ。

 部屋を囲むように張り巡らされた窓ガラスに都会の青空が広がっている。ソファとセンターテーブルが置かれたリビングスペースの奥にL字型のガラスデスクがあり、三十代前半と思しき男性が座ってノートパソコンと向き合っていた。

「社長、お連れしました」

 深水さんが声をかけると、その人は顔を上げた。一瞬で目を奪われてしまうくらい、猛烈に顔が整っている。

 でも、あれっと思った。どこかで見たことがあるような……。

「社長、こちらへ。遊佐さんもどうぞ、お掛けください」

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