孤高のエリート社長は契約花嫁への愛が溢れて止まらない
 気づいたら口にしていた。壱弥さんが不思議そうに私を見る。

「食事作りでも、配膳スタッフでも、勉強はちょっと教えられないかもしれないけど……私もなにかやりたいです」

 あなたが誰かのために仕事をするのなら、私はあなたの力になりたい。

 そう強く思う自分に戸惑い、やがて納得する。

 もうごまかせないくらい、私の気持ちは高ぶってしまったのだ。

 私は、彼の傍にいたい。たとえ偽りの夫婦関係だとしても、公私ともに壱弥さんを支えていきたい。

 内心の想いを隠すように見つめると、彼は驚いたように瞬きをして「そうか」とつぶやいた。

 日本酒の猪口を口に運ぶ顔は無表情で、なにを考えているのか読み取ることはできなかった。









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