孤高のエリート社長は契約花嫁への愛が溢れて止まらない
 とにかく面接なのだから自己アピールをしなければ。小さく咳ばらいをして、バッグからファイルを取り出し、持参した書類をテーブルに滑らせた。

「こちらが私の履歴書と職務経歴書です。まず、御社を志望した動機ですが――」

「まどろっこしい」

「へ?」

 その人はテーブルに置かれたままの履歴書を一瞥すると私に視線を戻した。整った顔に無表情が貼り付けられると、美しいを通り越して恐ろしいのだと、初めて気づく。

「確かめたいことがある。テストさせろ」

「え」

「それに受かれば合格。採用だ」

 それだけ言うと、彼は立ち上がった。

「ついてこい」

「あの、テストって」

 私の問いには答えず、ホダカ・ホールディングスの社長はさっさと歩いていってしまう。助けを求めるように傍に立っていた秘書を見ると、彼は困ったように微笑んで小さく頷いた。

 適正テストとか一般教養テストとか、そういったものを受けさせられるのだろうか。なんの準備もしてこなかったのにと不安に思いながら、奥の部屋に消えていく社長を追う。開いたままの扉をくぐり、そして私は立ち尽くした。

「なにをしてる。早くしろ」

 ジャケットを脱いで椅子の背もたれにかけると、美麗の人は苛立たしげに私を見る。

「早くしろと、言われても……」

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