孤高のエリート社長は契約花嫁への愛が溢れて止まらない
おまけに昨晩は壱弥さんの唇を何度も思い出してしまって全然眠れなかったのだ。ファーストキスでもないのに興奮して寝れないなんて、まるで中学生みたい。
こもった熱を逃がすようにマフラーを外していたら、ふいに海野さんが前方に身を乗り出して言った。
「どうされました?」
「え――?」
口を開きかけ、彼女の目が運転席に注がれていることに気づく。
「あ、いえ。後ろの車がさっきから変な動きをしていて。先に行かせようかと」
車線を変更して減速する運転手に海野さんの顔が険しくなる。彼女は後ろを振り向くと厳しい口調で言った。
「減速しないで、あの信号を左に曲がってください。ウインカーは直前まで出さずに」
「海野さん? いったいなにを」
異様な雰囲気の彼女に手を伸ばそうとしたとき、車が左折した。次の瞬間、急停車をしてがくんと車体が揺れる。シートベルトが引っ張られ、腰に食い込んだ。フロントガラスを見ると前方にワゴン車が止まっている。
「危ないなあ、こんなところに。お客さんすみません、大丈夫で――」
「車を出して!」
「え」
海野さんの叫びに運転手さんと一緒にぎょっとする。
「いいから早く車を出して!」
「あ、は、はい」
「ちょ、海野さん?」
こもった熱を逃がすようにマフラーを外していたら、ふいに海野さんが前方に身を乗り出して言った。
「どうされました?」
「え――?」
口を開きかけ、彼女の目が運転席に注がれていることに気づく。
「あ、いえ。後ろの車がさっきから変な動きをしていて。先に行かせようかと」
車線を変更して減速する運転手に海野さんの顔が険しくなる。彼女は後ろを振り向くと厳しい口調で言った。
「減速しないで、あの信号を左に曲がってください。ウインカーは直前まで出さずに」
「海野さん? いったいなにを」
異様な雰囲気の彼女に手を伸ばそうとしたとき、車が左折した。次の瞬間、急停車をしてがくんと車体が揺れる。シートベルトが引っ張られ、腰に食い込んだ。フロントガラスを見ると前方にワゴン車が止まっている。
「危ないなあ、こんなところに。お客さんすみません、大丈夫で――」
「車を出して!」
「え」
海野さんの叫びに運転手さんと一緒にぎょっとする。
「いいから早く車を出して!」
「あ、は、はい」
「ちょ、海野さん?」