孤高のエリート社長は契約花嫁への愛が溢れて止まらない
 にやけそうになる頬を堪えていると、リビングを通りかかった彼が足を止めた。

 ガーランドやウォールステッカー、バルーンを余すところなく使って飾り付けたリビングは大人のしっとりした雰囲気からは程遠く、子どものクリスマス会のように賑やかになってしまった。ぎりぎり統一感は保っているけれど、静謐な穂高邸からは浮いているかもしれない。

「すごいな。全部ひとりでやったのか」

 好みにそぐわないかな、と心配していたけれど、杞憂だったようだ。彼はしげしげと飾りを眺め、やがてテーブルに置かれた食事に気づいた。

「クリスマスパーティーか。しかしすごい量だな」

「つい興が乗っちゃって」

 呆れたような物言いだけれど、私は見逃さない。彼の瞳がきらめいているのを。

「こういうの、意外と好きですよね?」

 見上げると、壱弥さんはばつが悪そうに表情を消してつぶやいた。

「嫌いじゃない」

 予想的中の返答に笑みがこぼれてしまった。

 いつものダイニングではなくリビングのソファ前にふたりで座り込んでセンターテーブルで食事をする。お行儀が良いとは言えないけれど、なかなか楽しかった。なにより壱弥さんの砕けた姿を見られるのが新鮮だ。

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