男心
高校卒業・・・そして大学生へ

「岡山県、倉敷北高校、在校生400名、卒業~」。
自分の名前は佐々田圭吾。
長かったようで、でも気がつけばあっという間だった自分の高校生活もついに終わろうとしている。
春からは四国の大学の教育学部に入学が決まっている。
そんな自分にとって、高校生最後の一日、大きな仕事が残っていた。
それは、3年生のときに同じクラスになった新名さんへの告白だった。

放課後。
部活の後輩と騒ぐやつもいる。彼女と一緒に最後の下校をするやつもいた。
馬鹿なやつは、校庭の噴水に飛び込んだやつもいた。
自分も、しばらくは同じハンドボール部の後輩と騒いでいた。
後輩のマネージャーの子にも、写真をせがまれたので、撮った。
女気のまったくなかった自分でも、そういうことがあるのは、部活の
おかげかもしれないな。

その後、自転車置き場に彼女が来るのを一人で待っていた。

そんなとき、彼女がやってきた。彼女も吹奏楽部の後輩からたくさんの
花束をもらっていた。

心の中では、何度もこのシーンを想像してきたが、やはり現実が
やってくるとドキドキだ。

「あの・・・」

一瞬彼女が自分の方を向いたとき、

「新名、今日、一緒に帰ろうぜ!!」
サッカー部のキャプテンをしていた竹下だ。

「うん。いいよ。」と彼女は簡単に返事をしてしまった。

そのあと、彼女は会釈をして竹下と去って行った。

自分は、ただただ、その場に立ち尽くして心の中で叫んだ。

「結局は目立ったやつの勝ちなのかな・・・。」






< 1 / 4 >

この作品をシェア

pagetop