ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
「試合開始!」

 最初から、ヴォラットはまったく手を抜かない。
 ウィリオ王子と激しく打ち合い、殴打で遠くに跳ね飛ばされたウィリオ王子は身軽に木を蹴って闘技台に戻ってきたが、その軌道を完全に読んだヴォラットに再度場外に吹っ飛ばされる。

 バランスを崩して地面に落ちるかと思われたウィリオ王子は反射的に木からぶら下がったつるをつかみ、身体を浮かせるとそのまま大木を駆け上がり、高い位置からロケットのようにヴォラットに向かって突っ込んだ。

 にやりと笑う黒豹は、ウィリオ王子をぎりぎりまで引き付けておいてから身体をずらし、鋭い蹴りを出した。両腕をクロスして蹴りをブロックしたウィリオ王子だが、そのまま闘技台に落下して転がった
 場外に落ちるか、と思われたが、予想外の粘りを見せるウィリオ王子は体勢を立ち直してヴォラットに駆け寄ると蹴りを繰り出すが、それを片手で受け止めた黒豹に足首をつかまれてしまった。

「うわあ!」

 そのままくるっと回されて、ウィリオ王子は闘技台の外に叩きつけられた。

「勝負あり!」

「……ううっ」

 ウィリオ王子は悔しそうにうめいて、目元をごしごしと殴ったが、黒豹相手にここまで健闘したことを皆に讃えられて大きな拍手をもらうと、髪をかきあげて「次は勝つ!」と力強く誓い、黒豹に「良い試合をありがとう」と礼を言ったのであった。
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