ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
 木の下におりると、そこにはバスケットに入ったパンやチーズ、ハムなどが置いてあった。焼きたてのパンはまだ温かく、表面がパリッとしていていかにも美味しそうだ。
 子猫のためなのか、瓶に入った搾りたてのミルクもある。

「セライラスタングリーズル、果物を取ってくる」

 そう言ってウィリオ王子は姿を消し、戻って来た時には真っ赤に熟したスモモや良い香りがするオレンジ、ブドウなどの食べ頃の果物をたくさん持って帰って来た。

「この森は、美味しい果物の宝庫ね」

「居心地もいいし、空気もとても澄んでいていい匂いがするし、とても素敵な森だにゃん」

 ふたりに森を褒められたので、森エルフであるウィリオ王子とセラはとても誇らしい気持ちになった。

「さあ、火で炙ったチーズをパンに乗せようか」

 小さなポットはお湯が湧いてしゅんしゅんいっている。イーシーは器用に紅茶を淹れて皆に配り、ウィリオ王子はナイフで切った厚切りのハムをパンに乗せて、その上にセラが炙ったとろけるチーズを乗せると最高の朝ごはんの出来上がりだ。

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