ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
 満ち足りた子猫と、ようやく子猫と会えて安心したルディが気持ちよく寝ている間に、木の下ではウィリオ王子とルールーがのんびりお茶を飲みながら話をしていた。もちろん、セラとイーシーも加わっている。
 お堅いイーシーは「いえ、わたしは警護をしておりますので」といつものようにルールーの後ろに立とうとしたのだが、セラに「そんなことをされたら、みんなのんびりできないじゃーん。ここは『とても安全な状態』だから、一緒にリラックスしようよ」と言われて、『なるほど、わたしが座らないと、マーレン国の要人警備が信じられないという失礼な意味になりますか』と、ようやくテーブルについた。

「そういえば、エリナがフィフィール国を訪問して、やはり守護妖精であられるフーラアヌさまにお会いしたと聞いたが?」

 ウィリオ王子は、椅子の背に寄りかかってリラックスしながらルールーに尋ねた。

「ええ、そうよ。どこで知り合ったのか知らないけれど、フーラアヌさまがエリナのことをたいそう気に入っていらっしゃるのよね。抱っこして離さなかったわ。ルディさんが空を飛べるようになったから、フィフィール国とスカイヴェン国を隔てる険しい山脈をひとっ飛びして、エリナはわたしの国にも気楽に遊びに来られるのよね、よかったわ」

「あの山を飛び越えるとはすごい話だな……そうか、失念していたが、ルディ殿下は妖精獣でいらっしゃるのか。妖精繋がりで、ユーさまとフーラアヌさまとエリナが結びついたのかもしれないな」

「その可能性が高いわね」

 実は、エリナこそがスカイヴェン国の守護妖精(そして、ルディにいろいろ教える立場)なのだが、そんな事情はフーラアヌの幼馴染みで、その正体は大変高齢な大海蛇であるイーシーしか知らない。
< 198 / 244 >

この作品をシェア

pagetop