ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
「あの山脈がなければ、三国の交流ももっと盛んになるのだが……。幸いスカイヴェン国とフィフィール国とマーレン国は長く友好関係を築いて来られたが、さらに結びつきを強めるための努力を怠ってはならないと思うのだ」

 ルールーは頷いた。

「文化交流や、交易がもっと盛んになった方がいいと思うのよ。でも、そのためにはあの山脈が邪魔なのよね。もっと、一般の人レベルで、わたしたちみたいに仲良く集まれるようになれればいいのにって思うわ」

 王族で外交の仕事を担うウィリオ王子と、大商店の跡取り娘として世界を飛び回るルールーだからこそ保てる友情なのだ。
 フィフィール国からスカイヴェン国へ向かうには、ぐるっと大回りしなければならないためにとても時間がかかってしまう。
 エリナの発明した冷蔵冷凍馬車が活躍しているから、少しずつフィフィール国の海の幸がスカイヴェン国に輸入されているが、どうしてもコストがかかってしまうため、かなり高価なものとなってしまう。
 ルールーは、美味しい海の幸をスカイヴェン国の一般の人々にも食べてもらいたいと考えていた。だが、この問題は解決が難しい。
 
「こんな風に、次に三人で会えるのは、いつになるかしらね」

「やはり距離がな。我らが大人になる頃には、もっとよい交通手段が現れているといいのだが」

「……空飛ぶ森エルフが現れるとか?」

「さすがに自力で飛ぶのは無理だろうな。フィフィール国からスカイヴェン国につながる海中洞窟なら見つかるかもしれないが」

「そんなものがもしもあったら、フーラアヌさまが教えてくださっていると思うし、ご本人がスカイヴェン国を訪問して青弓亭でごはんを食べているんじゃないかしら」

「それもそうか」

 そう言って、ふたりは笑った。
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