ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
 だが子猫は「休まないにゃん! ごはんを作りたいにゃん!」とにゃーにゃー鳴いた。料理ができないとなると、エリナの料理人としてのアイデンティティが揺らいでしまうのだ。

 地球で暮らしていた時には不当に幸運を搾取されて生きていたエリナは、誰にも愛されず(愛情を注いでくれた両親さえ、事故で失ってしまったのだ)誰にも認められず、役立たずな人間として見下されながら生きてきた。
 どんなに努力しても、報われない。
 努力の結果すらも他人に吸い上げられてしまったのだ。
 とても辛い日々を、ペットトリマーの彼女はモフモフへの愛を胸に生き抜いていた。

 だが、スカイヴェン国に子猫の姿でやってきた彼女は、素直で優しく思いやりがあるだけでなく、その料理の腕前とセンスで周りのみんなを幸せにして、今では一目置かれる存在となった。孤独な女の子は、ようやく居場所を見つけたのだ。

「戻りたいにゃん、料理したいにゃん、にゃーんにゃーんにゃーん!」

 もしも料理ができなくなったら……なんの取り柄もなくなった自分は、また孤独な落とし穴に落ちていくのではないか……そんな恐怖を感じて、エリナはパニックになりそうだった。

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