フォーチュンクッキー
 杏ちゃんはいつの間にかお手洗いに行っていたらしく、戻ってくるとちょこんとあたしの隣に座った。

 見計らったかのように、太一さんはようやく話を順だって説明してくれた。



 この大きな人は怜さんっていう、太一さんの高校の友達。


 バスケ部の部長で、あんまり強くないけど引退試合が来月待っているらしい。

でもその引退試合を終えるとすぐ期末テストが始まるから、それに間に合いそうになくて。



 だから“先生”ができなくなるかもしれないんだって。



 な~んだ、そんなことか。


って思ってたら、案の定デコピンを食らった。


「チビ助にはそんなこといってる余裕ないんだよ」

 かなり痛いお説教をもらってしょぼんと肩を落とした。


そんな時、隣でずっと聞いていた杏ちゃんが話に参加した。


「あたしが言うのもなんですけど、観にいってもいいんですか?」


 太一さんと怜さんは驚いて、口がぽかんと開いたままだった。

だけどそんな二人にかまわず杏ちゃんのナイスアシストに、あたしは飛びついた。



「た、太一さん!“先生”の代わりに、観にいきたいです!」


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