フォーチュンクッキー
 あたしも、あとで行くことになっている。

この制服も着納めだし、サトさんの家に寄ってから病院へ向かうつもり。

 最近、また調子を取り戻してきた凛子さんに、あたしも会いたくてしかたなかったから。


 見慣れないお父さんのスーツ姿を見送ると、サトさんも人ごみを掻き分けて来てくれた。

けど、眉を歪ませて、苦虫を潰したような表情をしていた。


「……太一が、こないのよ」

 不安げに視線をあたりに回している。

それでも、そのサトさんでさえ見つけられていないようだった。


「あ、こんにちはー」

 あたしと同じように、胸に花を飾った杏ちゃんが、すこし不機嫌そうな雛太をつれてやってくる。

「あれ?」

 そこには太一さんがいなくて、二人ともやっぱり不思議そうに首をかしげていた。



 卒業式の日を教えたはいいけれど、学校の日程を変えられるわけがない。


「次の日出発で忙しいんですからっ」

 何度もそう断ったのに、さも当然のように……


「お前だって来てくれたじゃん」


 そう優しく笑ってくれた太一さんを疑うわけじゃない。

ただ、何か理由があるのなら、その理由を知りたいだけ。



 不安に押しつぶされそうな、そんなときだった。








「……─未来…っ」



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