最強女騎士は、姉の婚約者に蕩かされる
9
「あ、悪い! その話は置いておくって言ったくせにな」
顔を強張らせるナーディアを見て、マリーノは慌てたようだった。
「でも、これだけは伝えておきたくて。あんなひどい言葉を投げつけたのに、お前はあっさり許してくれて、改めてお前を好きだと思った。だったら、ちゃんと行動に出ないとなって思ったんだ。ダリオ様のやり方は、正しいとは思わないけれど、好きな女がいるなら、黙って見てるだけじゃダメだって」
ナーディアは、返事に困ってうつむいた。
「ロベルト様は、どうやら俺に、婿に入って欲しいみたいだ。小さい頃から兄上には偉そうにされてきたけど、初めて長男じゃなくてよかったって思ったぜ」
マリーノは、クスリと笑った。
「ロベルト様のご期待に応えられるように、頑張るよ。ロレンツォとは、何かと比較されそうだけどな……」
「これ」
そこへ、威圧的な声がした。いつの間にか、オルランドがやって来たのだ。
「今夜は、結婚話に悩むナーディアに気分転換させるのが目的なんだ。その話は封印しろ」
「申し訳ございません!」
マリーノが縮み上がる。ナーディアは、慌てて取りなした。
「違います。私が悩んでいたのは、それだけじゃありません。姉とロレンツォのこともあるのです」
「ほう?」
男二人が、興味深げに身を乗り出す。勝手に話すのはどうかとも思ったが、自分一人では解決できそうにない。それに、いずれは知れることだ。ナーディアは、思い切って打ち明けた。
「ロレンツォは、結婚後も騎士団の寮に住み続けるそうなのです。なぜそんなことをするのか、私も姉も不可解なのですが……」
「ははあ……。なるほどな」
オルランドの目が光る。どんな巨乳美女を発見した時よりも、楽しげな表情を浮かべていた。彼は、マリーノを一瞥すると、こう言った。
「寮に、大事な人間がいるのじゃないか? 想い人がいたりしてな」
マリーノの顔色が、さっと変わった。愕然とした様子で、顔を覆う。
「嘘だろ……」
二人の会話に付いて行けず、ナーディアはきょとんとした。
「まさか。男ばかりじゃないですか。ロレンツォは、男色ではないと思うのですが……」
オルランドとマリーノは、ため息を吐くと、ほぼ同時に呟いた。
「「女もいるだろうが……」」
顔を強張らせるナーディアを見て、マリーノは慌てたようだった。
「でも、これだけは伝えておきたくて。あんなひどい言葉を投げつけたのに、お前はあっさり許してくれて、改めてお前を好きだと思った。だったら、ちゃんと行動に出ないとなって思ったんだ。ダリオ様のやり方は、正しいとは思わないけれど、好きな女がいるなら、黙って見てるだけじゃダメだって」
ナーディアは、返事に困ってうつむいた。
「ロベルト様は、どうやら俺に、婿に入って欲しいみたいだ。小さい頃から兄上には偉そうにされてきたけど、初めて長男じゃなくてよかったって思ったぜ」
マリーノは、クスリと笑った。
「ロベルト様のご期待に応えられるように、頑張るよ。ロレンツォとは、何かと比較されそうだけどな……」
「これ」
そこへ、威圧的な声がした。いつの間にか、オルランドがやって来たのだ。
「今夜は、結婚話に悩むナーディアに気分転換させるのが目的なんだ。その話は封印しろ」
「申し訳ございません!」
マリーノが縮み上がる。ナーディアは、慌てて取りなした。
「違います。私が悩んでいたのは、それだけじゃありません。姉とロレンツォのこともあるのです」
「ほう?」
男二人が、興味深げに身を乗り出す。勝手に話すのはどうかとも思ったが、自分一人では解決できそうにない。それに、いずれは知れることだ。ナーディアは、思い切って打ち明けた。
「ロレンツォは、結婚後も騎士団の寮に住み続けるそうなのです。なぜそんなことをするのか、私も姉も不可解なのですが……」
「ははあ……。なるほどな」
オルランドの目が光る。どんな巨乳美女を発見した時よりも、楽しげな表情を浮かべていた。彼は、マリーノを一瞥すると、こう言った。
「寮に、大事な人間がいるのじゃないか? 想い人がいたりしてな」
マリーノの顔色が、さっと変わった。愕然とした様子で、顔を覆う。
「嘘だろ……」
二人の会話に付いて行けず、ナーディアはきょとんとした。
「まさか。男ばかりじゃないですか。ロレンツォは、男色ではないと思うのですが……」
オルランドとマリーノは、ため息を吐くと、ほぼ同時に呟いた。
「「女もいるだろうが……」」