真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

息吹ちゃんの部屋で。

息吹ちゃんが出してくれた、クッキーとスナック菓子をつまんでいる。

私服に着替えた息吹ちゃんが、ペットボトルとガラスコップを持って、一階から上がってくる。



私達は折りたたみ式のテーブルを挟んで、向かい合う。



「それで?なんで、学校のカーテンだってわかるの?」



私は気になって仕方がない。

息吹ちゃんは「あくまで私の考えだからね」と前置きをしてから、
「運ぶのが大変だから」
と、短く答えた。



「運ぶ?」



私に頷き、息吹ちゃんは続ける。



「発見された旧体育倉庫って、狭いじゃん」

「うん。外側見てても、小さな倉庫だよね?人がひとり入っただけで窮屈そうな……」

「彩葉ちゃんはそんな場所で、多分抵抗して暴れるだろう竹中先輩を、犯人が殺せたと思う?」

「うーん……、もう少しスペースが欲しいだろうね?」



息吹ちゃんは「うん」と、大きく頷く。



「あの場所が犯行現場じゃないとする。でもそしたらさ、運んできたってことでしょう?」

「えっ!?」

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