真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

「アリバイか……」

「うん。こういう場合ってさ、ドラマとかだと犯人かもって思う人のアリバイを調べない?」

「彩葉ちゃん、ナイス!それ、それだ!加瀬さんのアリバイ調べるって大事っぽい!」



息吹ちゃんが褒めてくれて、嬉しくて得意気な顔をしていたら、
「そんなの基本中の基本だろうが!!さっさと調べてきな!!」
と、寧々様からお叱りを受けた。



「えっ、でも、どうやって?」

「何言ってんの!まずは加瀬さんに話を聞く!本人にアリバイを聞かないで、誰に聞くのよ!!」

「加瀬さん、話してくれるかなぁ?」
と、私の弱音を無視して、寧々様は続ける。



「それと、時田さんが倒れていた時の第一発見者を探しな!!その人なら何か気づいたことだってあるかもじゃん!!加瀬さんのアリバイのことを考えながら、色んな人に話を聞いてくんの!!」

「な、なるほど。さすが寧々様!」



大袈裟に拍手していると、
「いいから!!とっとと調査してこーーーいっ!」
と、かなり真剣に怒られた。

< 34 / 195 >

この作品をシェア

pagetop