真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

「おかしくない?時田さん、裏庭で倒れたんでしょう?……骨折?どうして?」



転んだりしたんだろうか?

骨折するほど、派手に転ぶ?

で、頭も打つの?

出血するほど?

それで倒れて、発見されて、亡くなる?



あり得なくはない、か?

でも。



裏庭の中央で、時田さんは倒れていたはず。

あそこは草むらで。

変に転んで骨折したとしても。

転んで出血するほど、強く頭を打つ場所なのかな?





「彩葉ちゃん、前にさ、なんで裏庭にいたんだろうって話してたじゃん?」

「え?うん、言ったかも」



息吹ちゃんは立ち止まる。




「落下したからだよ」






「え?」

「落ちたの。多分、北校舎から」

「えっ!!」



息吹ちゃんは私の耳に口元を寄せる。

そして、こう言った。






「死にたいと思っていたとして、彩葉ちゃんならあの場所を選ぶ?」







「何?何のこと?」

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