ワインとチーズとバレエと教授
【交差する三人】亮二の恋心
豪華なお弁当を、ほとんど口にしなかった理緒を心配した亮二は、理緒の部屋を訪れた。
「大丈夫か?最近食べていないようだけど」
「うん、少し身体がだるくて…でもバレエをお休みしていたら、少し良くなった気がする」
「そうか…」
亮二はベッドの上でバレエ雑誌の「クロワゼ」を読んでる理緒のとなりに座った。
少し痩せたなー
「理緒が最近、元気がないから心配だ」
「うん、大丈夫…」
少しやつれた理緒だが、モデルの写真の理緒と
何も変わらない。あのモデルの理緒は美しすぎた。
白い肌に、大きな瞳、きゃしゃな身体にサラサラな黒髪…
「そういえば…理緒の黒髪は濡烏(ねれがらす)と
呼ぶと言ってたな…」
亮二は3年前、理緒を美容室に連れて行ったとき、スタイリストにそう言われたことを思い出した。
そして、亮二は、理緒のサラサラした黒髪を
手に取った。濡烏の美しい黒髪ー