ワケありモテ男子をかくまうことになりました。


その質問に、思わず鼻で笑いそうになった。だけどそれはさすがに感じ悪いから抑えて、わざとらしくにっこりと笑みを作り、犬飼くんと目を合わせる。



「私は朝ごはんをいつも食べないし、別に目を合わせないようにしてるわけでもない。分かった?もう行くね。戸締まりよろしく」



まだ何か言いたげな犬飼くんを残して、私は玄関に行きローファーを履いて少し大きめの一軒家の扉を開けて外に出た。


昨日とは打って変わって今日の空は嫌気が差すほど晴天で、太陽の眩しい光に思わず目を細める。


いつもより早い時間に家を出たのは、私が今日日直だからだ。


早足で駅までの道のりを十五分ほどかけて歩き、駅のロータリーを抜ける。ホームに入りもう結構な列ができている券売機の前に私も並んだ。


まだかななんて思っている内に私の番になり、七時発の電車のチケットを買う。そして改札口を抜けて、藍津高校行きの電車に乗り学校まで向かった。

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