ワケありモテ男子をかくまうことになりました。

「も、もう分かってるから! だからそんな大声で恥ずかしいこと叫ぶんじゃないっ! みんな見てるでしょーが」


私がそう言うと、不機嫌にしかめられていた凛大の顔が今度は泣きそうな顔になってしまった。


「……あーあー、ゆい、凛大くん泣いちゃったじゃん」

「べ、別にそういうつもりじゃ……」


今まで机の上で頬杖をついて私たちを静観していた杏月が突然口を開いた。

私と同じく椅子に座っている杏月と視線が交わり、少し意地悪な色をしているその表情が視界に映る。


うぅ〜〜っ、杏月の意地悪めー……!

なんでわざと私が困るようなこと言うのよぉっ。


「り、凛大……? 泣かせてごめん、私最低だ」

「泣いてなんかないって、……! ただ、こんなに分かりやすく俺の気持ち伝えてるのに、それがゆいに伝わってなさそうで悲しいってだけだし……っ」


凛大の整った綺麗な顔が悲痛に歪められた悲しい色に染まる。
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