ワケありモテ男子をかくまうことになりました。


すぅ、とゆっくり呼吸して気分を落ち着けた後、私は凛大と杏月に今まで言えていなかったことを伝えた。


「───私ね、凛大とも誰とも、恋愛しちゃいけないんだ」


一瞬、時が止まったように思えた。


当たり前だろう。急にこんな普通じゃないことを明かされたのだ。

二人は何と言っていいか分からない様子で動揺していた。


凛大の瞳が大きく揺れ動いて、限界まで見開かれている。杏月は本当に私の言っていることが分からないという表情で首を傾げた。


「ゆ、い……? 何、言ってるの。恋愛しちゃいけないなんて、そんなのあるわけないじゃないっ!」


強い口調でそう言い、私をまっすぐに見つめた杏月。
私はその言葉に大きく首を振った。


「なんで……っ! 恋にしていいしちゃいけないなんてないよ!」

「そうだね杏月。……でもね、幸せになったらダメな人間だっているんだ」


杏月は私の言葉を聞いてますます訳が分からないというような表情を浮かべた。


こんなこと言ったら二人を困らせるだけだと分かっていた。それに、このことを伝える気も全くなかった。今までも、これから先も……。


「……っ、それが、ゆいだっていうの?」


杏月は震える声で聞いてきた。

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