ワケありモテ男子をかくまうことになりました。
「うん、そう」
私はできる限り明るい笑みを浮かべて、頷いた。
恋愛できないことが本当は悲しいって思っていることを、二人に悟られないように。
「っ、俺、そんなの認めないよ」
せっかく泣き止んだのに、大きな瞳に涙をためて私を睨む凛大。
「……うん、ごめん」
私はそれしか言えなかった。
認めてもらえるなんて、最初から思ってなかった。
恋愛しちゃいけない理由も話さないで理解してもらおうなんて、そんなの横暴すぎるもん。
「っ私、もう行くね。杏月、先に美術室行ってる」
「ゆいっ、待っ……」
杏月は最後まで言うことなく口を閉ざした。
私を気遣ってくれたのだろう。
……ありがとう、杏月。
心の中でそっとお礼を言った。