ワケありモテ男子をかくまうことになりました。
当然寝てるものだと思っていたから、私はビックリして目をまん丸くする。
「なに、雨宮さん。もしかして俺に触りたいの?」
からかうような口ぶりで私に視線を向けた犬飼くん。
楽しそうに笑う瞳に顔を真っ赤にさせた私が映っている。
「ちっ、違うよ。これは、無意識っていうか……なんというか」
手を引っ込めてごにょごにょと言い訳をする私を未だ楽しそうに見つめてくる。
髪に触ろうとしたのは事実だから、何も言い返せないのが悔しい。
「へぇー。無意識で俺に触ろうとしたんだ? やらしー」
犬飼くんはここぞとばかり私をからかい倒す。
私は唇を噛んで俯いた。ふるふると肩を震わす私にさすがに言いすぎたかと思ったのか、犬飼くんが「ごめんごめん」と軽い謝罪を入れる。
「もう、……早く入ってきて」
火照った頬を冷ますために冷たい手を当てる。