君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜
 聡一朗さん出版した本が賞を受けることになり、授賞式が明日執り行われることになっていて、今夜の祝賀会は、その前祝いとして大学が開いたパーティだった。

 もちろん、そこに聡一朗さんが主役として出るのは当たり前なのだけれど、今回はその妻である私も招待を受けていた。

 私にとって、これが聡一朗さんの妻として出る初めての公の場。

 契約結婚の条件に挙げられていた妻としての役割を、遅ればせながらやっと担う時が来た。

 課題はたくさんあるけれども、まずは外見からクリアしていかないと。

「ドレスは君が新調したのかい?」
「あ、はい。安田さんにもアドバイスをうかがったんですけれども」

 安田さんに選んでもらったドレスも可愛くてお気に入りだけれども、もう少し大人っぽいものも着たかった。
 聡一朗さんの妻に相応しい、隣に立って釣り合うような女性として見られたかった。

 選んだのは一流ブランドのもので、サンゴ色のサテンを使ったドレープ遣いがとても優美に見えるロングドレス。
< 141 / 243 >

この作品をシェア

pagetop