君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜
「君か……?」
「あ、はい。おかえりなさい」

 私はうなずいて、笑顔を作った。

「あの……似合い、ますか……?」

 おずおずと訊く私に、聡一朗さんはゆっくりと近付いてくる。

「一瞬誰か分からなかった。……とても、綺麗だ」

 ドキンと胸が跳ねる。
 嬉しいのはもちろん、そう静かに言ってくれた聡一朗さんの低い声は、どこか魅惑的だったから。

 今夜、私と聡一朗さんは例の祝賀会に参加することになっていた。
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