先輩を可愛い、かわいいと言っていいのは僕だけです
 言葉にしてしまえばシンプルだった。重かった心が一気に軽くなり、肺へ新鮮な空気が送り込まれる。

「先輩……」

 カウンター地味た告白に本宮君は見開くが、手を離したりしない。勇気を振り絞ったのを褒めるよう包み込む。

「一つだけ、訂正します。メイクやオシャレをしてる先輩もめちゃくちゃ可愛かったです。僕の為にしてくれてたなら我慢せずにかわいいって言えば良かったです」

「我慢してたの?」

「いや、だってアイツの為だとばかり」

 改めて二人で周囲の反応を伺う。いきなり想いを確かめ合う展開は全員を置いてゆく。唖然とする様子に顔を見合わせ吹き出してしまった。

「はは、僕達、両想いだったんですね。今更、緊張してきました」

「確かに。お互いの気持ちが通じたら、どうするんだろう?」

 頬が赤くなるのが分かる。本当に今更だ。

「それは追々考えましょうか。それより日陰に入りましょうよ。せっかく先輩が彼女になってくれるのに熱中症になったりしたら大変です」

 自然と肩を抱いてきて、校舎に戻ろうとする。

「え、えっとみんなは?」

「放っておけばいいです。そうだ、これ先輩が来る前に撮ったヒマワリなんですけど見て下さい! キレイですよね? あ、先輩も可愛いですけど。ヒマワリと先輩のツーショット、後からお願いできます?待ち受けにしたい」

 わたしが振り向くのを阻止すべく、携帯の画面を見せてきた。ご機嫌にフォルダへ収めたヒマワリの成長記録を披露するのだった。
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