狂い咲きの蝶
「理世…もしかして、あんたの友達じゃないでしょうね?」

そんな理世の心も知らず、ただただパニックになっている母は静かにこう聞いて理世をにらんだ。


「……勝手に想像してれば?」

怒りで言葉がうまくでてこない。
…やっとでてきたのがこの言葉だった。

母はどこまで私を悪者にすれば気が済むのだろう…。


今度こそ、自室に閉じこもって鍵をかけた。

自室とはいえ杏音との共同部屋だったから、杏音が帰ってきたらさぞ困るだろうが、今はそんなこと気にしている余裕はない。


むしろここまで騒がせておいて、今更ケロっと帰ってこられたら…

そう考えると少しは困らせてやりたい気もする。


しかしそんな理世の想像とはうらはらに、いっこうに杏音も晴も帰ってこない。



兄も帰宅した。
そして父も帰宅し、事態を知るなり父は母に厳しくしかりつけた。

そして母がそうしたように父も家から飛び出し、杏音と晴を探しに行ってしまった。


布団にもぐったはいいものの、理世は全然寝付けなかった。


さっきまでまでの怒りが不安に変わる。



…もしかして大樹さんや…アキコが……

…いや、ないだろう。

…いや、やりかねない…


もしも自分のせいだとしたら……

結局その日は一睡もできなかった。
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