【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
なるべく人と関わらないようにして感情を押さえつける。
力を抑えるために精神を擦り減らす日々はクラレンスにとって思い出したくない記憶だ。

誰もがクラレンスの強大な力を恐れていた。
そんなクラレンスに気遣うことなく側にいられたのはクラレンスと対になる力を持つオリバーと父だけ。

「兄上、一緒に遊ぼう!」

オリバーのおかげで、なんとか外と繋がりを持つことができた。
でなければそのまま部屋の中で己の運命を嘆いていただけに違いない。
父は「その力は国を守れるようにと特別に授けてくれたのだ」と、クラレンスを否定することなく背中を押して、正しい道に導いてくれた。
母は何度怪我をしてもクラレンスを絶対に恐れたりはしなかった。

多少、捻くれたもののこうしてクラレンスがいられるのも家族のおかげだろう。
そして成長したクラレンスは自分の力を思う存分発揮するためにも辺境に行き、国を防御するためにも働きたいと申し出ていた。
それが十二才の時だ。
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