交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
他愛のない話に花を咲かせて、お互いの知らないところを知っていく時間がとても楽しい。
彼は控えめだがリアクションをしつつ聞き役に徹してくれるので、私はついついぺらぺらと話し続けてしまった。
彼は『俺は話すのは下手だし、小梅のころころ変わる表情を見ながら話を聞くのは楽しいから』と言って私を止めない。
そうこうしているうちに、インターホンが鳴った。
おそらくベッドが届いたのだろう。一織さんが対応してくれたので、私はダイニングテーブルを片付けるためにキッチンに立った。
間もなくして、玄関の方から話し声が聞こえてきた。
内容は聞き取れないが、なんだか揉めているような。
気になって廊下に顔を出す。「頼んだのはシングルが2つだ。キングサイズを注文した覚えはないのだが」
「でも椎名さんがこれを持ってけって……あ、そうだ、メモを預かってるんでした! はい、これ」
一織さんと話しているスーツの小柄な男性がメモを渡す。
「っ、椎名、あいつ余計なことを…」
「なんて書いてあったんすか? えーと? 『深山へ。 俺からの結婚祝いだ。奥さんと仲良くやれよ!』 なーんだ、やっぱり俺の上司は友達思いの良い方じゃないっすか〜!」
「いや、悪いが一度持って帰って…」
「問題ないみたいなので、俺はこれで! 奥様によろしくお伝えくださ〜い」
「ちょ、おい!」
一織さんの声は届かず、彼は大きなダンボールを置いて行ってしまった。
「一織さん?」
「すまない、小梅。 手違い、というか、オーナーの不手際でベッドがひとつしか届かなかった。今からそいつに苦情はつけるが、…今夜には間に合わないだろう。俺はソファで寝るから、小梅はこれを使え」
申し訳なさそうにする彼に、私は慌てて頭を振る。
「そんな、私はどこでも寝れますし、一織さんのお家なんですから、布さえあれば私が床で、」
「駄目だ。どこに妻を床で寝かせる夫がいる? それに、もうここは小梅の家でもあるんだ。小梅にとっても寛げる場所じゃないと意味がない」
「でも、だからって一織さんをソファに追いやるのは…――」
渋る私に彼は被せるように言う。
「俺だってどこでも寝れる」
「いえ、私のほうが」
「いいや、俺が」
「…っ―― じゃあもう、一緒に寝ましょう!」
終わりの見えない譲り合いに勢いで言ってしまってから、またやってしまったと内心で焦る。
わぁぁ私のばか! 寝室は別にする、って話になったのにそんな提案、破廉恥な女だと思われたらどうしよう!
彼は控えめだがリアクションをしつつ聞き役に徹してくれるので、私はついついぺらぺらと話し続けてしまった。
彼は『俺は話すのは下手だし、小梅のころころ変わる表情を見ながら話を聞くのは楽しいから』と言って私を止めない。
そうこうしているうちに、インターホンが鳴った。
おそらくベッドが届いたのだろう。一織さんが対応してくれたので、私はダイニングテーブルを片付けるためにキッチンに立った。
間もなくして、玄関の方から話し声が聞こえてきた。
内容は聞き取れないが、なんだか揉めているような。
気になって廊下に顔を出す。「頼んだのはシングルが2つだ。キングサイズを注文した覚えはないのだが」
「でも椎名さんがこれを持ってけって……あ、そうだ、メモを預かってるんでした! はい、これ」
一織さんと話しているスーツの小柄な男性がメモを渡す。
「っ、椎名、あいつ余計なことを…」
「なんて書いてあったんすか? えーと? 『深山へ。 俺からの結婚祝いだ。奥さんと仲良くやれよ!』 なーんだ、やっぱり俺の上司は友達思いの良い方じゃないっすか〜!」
「いや、悪いが一度持って帰って…」
「問題ないみたいなので、俺はこれで! 奥様によろしくお伝えくださ〜い」
「ちょ、おい!」
一織さんの声は届かず、彼は大きなダンボールを置いて行ってしまった。
「一織さん?」
「すまない、小梅。 手違い、というか、オーナーの不手際でベッドがひとつしか届かなかった。今からそいつに苦情はつけるが、…今夜には間に合わないだろう。俺はソファで寝るから、小梅はこれを使え」
申し訳なさそうにする彼に、私は慌てて頭を振る。
「そんな、私はどこでも寝れますし、一織さんのお家なんですから、布さえあれば私が床で、」
「駄目だ。どこに妻を床で寝かせる夫がいる? それに、もうここは小梅の家でもあるんだ。小梅にとっても寛げる場所じゃないと意味がない」
「でも、だからって一織さんをソファに追いやるのは…――」
渋る私に彼は被せるように言う。
「俺だってどこでも寝れる」
「いえ、私のほうが」
「いいや、俺が」
「…っ―― じゃあもう、一緒に寝ましょう!」
終わりの見えない譲り合いに勢いで言ってしまってから、またやってしまったと内心で焦る。
わぁぁ私のばか! 寝室は別にする、って話になったのにそんな提案、破廉恥な女だと思われたらどうしよう!