交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
「こんばんは。一織さんの、つ、妻の小梅です。素敵なインテリアをありがとうございます。一織さんさえよければ、ぜひ上がっていってください」

「小梅、いいんだぞ、こんな急に押しかけてくるようなやつ、追い返しても」

「いえいえ! 家具のお礼もしたかったですし、一織さんのご友人にご挨拶したいです」

「親友ではないからな?」

『小梅さん、ありがとう! 一織、おまえいい嫁さんもらったなぁ』

感慨深そうに言う椎名さんに言われた「嫁さん」という響きが恥ずかしくて、誤魔化すように笑っておく。

「…下まで行ってくる」

「はい!行ってらっしゃい」

仕方ないな、といった様子の一織さんだけど、お迎えに行くぐらいだから椎名さんと仲がいいのは本当なのだろう。
ふたりの関係性がやっぱり面白くて、微笑ましいなと思った。

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