交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
努力するとは言ったけど side 一織



昨日は一日雨だったけど、今日は朝からじりじりと照りつける太陽と青い空がすっかり主役になっている。

寝ぼけ眼のままベッドから出てカーテンを開けると、すっと陽光が差し込んで眩しい。
ふと、背後で衣擦れの音がする。
振り返ると、眩しかったのか寝返りを打った彼女が嫌そうに顔を顰めている。

そのあどけない寝顔を見て、俺は密かに笑を零した。
どうやら小梅は朝が苦手らしい。一緒に暮らしはじめて1週間。俺が出勤する頃に起き出す彼女はいつも、眠たそうにしながら俺を見送ってくれる。

休日ぐらいゆっくり寝かせてやりたい気もするが、今日は前々から約束していたデート、の日だ。
今起こさずに昼過ぎに目を覚まして今日の計画が無しになったと分かったらそのほうが小梅は嫌がるだろうから、控えめに声をかけてみることにする。
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