交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
愛おしくて side 一織


季節は夏から秋に移り変わり、朝晩は涼しく過ごしやすい日が続く週末。

緑の木々に囲まれると、都心の喧騒とは打って変わった自然の静けさに自然と力が抜ける。

「わ、一織さん、見てください! 美味しそうなお肉〜! 本当になんでも準備されているんですね。これなら初心者の私たちでも楽しめそう!」

小梅が楽しそうに手招きする。BBQのために用意された食材に感動しているらしい。

「そうだな。あ、小梅の好きなエビも、殻をむいてあるぞ」

「ほんとだ! 一織さん、早く焼きましょう!お腹空きました」

へらりと笑う小梅が子どもみたいで可愛くて、つい俺も笑みがこぼれる。
それを見た小梅が少し驚いて、それから嬉しそうに頬を緩めた。
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