天使の受難 アレクサンドラとグルシア(魔法の恋の行方・シリーズ10)
「お前は大魔女だからな。
24時間管理体制を敷く。
そのために、私と夫婦という設定で、ここで暮らすことになる」

その言葉を聞いて
魔女は、コテンとベッドにひっくり返り、腹を抱えて大笑いした。

「はぁーーー、ぐぇーー、なんで夫婦ってゆー流れになるんだよぉ!!」

そこで、魔女は起き上がり、一息入れた。

「夫婦つーのはなぁ、お互い好きあってなるもんだぜ。
そのくらいニンゲン界の常識だろうがっ!!」

魔女は、下品に中指を立てた。
社会的には、まっとうな論理だ。

「仮面夫婦で、いいだろう。
嘘で塗り固める、お前の得意分野だろうが」

グルシアは、怒りをこめて、長めの前髪をかき上げた。

夫婦としてこのニンゲン界で暮らすなら、もう少し、見た目年齢が高い方がいいのだが・・

へたをすると、俺がロリコンとか、ショタ好きと、疑われてしまうのはまずいな・・

「ヘヘヘ・・おめぇーの好きな
オンナは、清楚で上品な深窓の令嬢かお姫様タイプだ。
そうだろう?」

魔女はハニートラップをしかけるために、ターゲットの情報収集、身辺調査に力をそそぐ。

自分の部下も過去に相当、引っかかっている。

「ああ、お前と真逆なタイプだな」
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