図書館の彼
「安心してください。もう大丈夫です。」
2日後に戻ってきた馨さんは、私にそう言った。
どういう意味だろうか。
「大丈夫、とは?」
「研究所の人たちの記憶を少々いじって来ました。
吸血鬼なんて最初から知らなかった、ということにしてきたんです。」
「じゃあもう馨さんが辛い思いをすることはなくなりますね。」
「はい。
咲依さんがあいつらに害されることもないです。」
「はい。」
「じゃあ、それだけを伝えに来たので。」
「……もう行くんですか?」
「はい。あまり長居してあいつらと関わることがあれば、思い出す危険性もあるので。」
「そっか。
…また会えますか?」
「はい、きっと。」
馨さんの笑ってる顔、久しぶりにみた。
昔助けてもらったきりもう会えないかもしれないと思ってた人に会えたんだから、きっとまた会えるだろう。
「それまでにおすすめの本、用意しておきますね。」
「ありがとうございます。
僕も用意しておきます。」
「楽しみです。」
「じゃあまた。」
「はい、また。」