図書館の彼



それから初めて本の内容以外の話をした。

馨さんは体が弱くて、基本的には家に居ないといけないけど、1日のうちの数時間だけ図書館に行くことは許されているのだと知った。

あの職員らしき人は、本当にここの職員であり、かつ馨さんのお世話をしてくれるような立場の人らしい。


私は高校生活の話や、家がそんなに好きでないこと、本が好きで昔からここにはよく通っていたことを話した。


どんな話も相槌を打ちながらニコニコして楽しそうに話を聞いてくれて、なんだか嬉しかった。


「じゃあ今日はこれで。

いろいろ話せて楽しかったです。ありがとうございます。」


「こちらこそありがとうございます。
私も楽しかったです。」


馨さんはあの職員さんと帰っていく。

いつもは本についての話ばかりで、お互いのことなんて全然知らなかったのに、今日は少し知ることが出来た。


けどそれから1週間、馨さんを見かけることは無かった。


今思えば、以前もあの人と一緒に帰った日から数日来なかったことがあった。

あの時は2日だったから、そんな日もあるかと気にしてはいなかったけど、あの人がなにか関係しているのだろうか。


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