図書館の彼



ある日。

たまたま、駐車場で馨さんとあの人が話しているのを目撃した。

少し揉めているようにもみえる。

以前は館内で声を抑えていたからか話の内容までは聞こえなかったけど、今日は会話の内容も聞こえてきた。


「また実験ですか?
やっと回復してきたのに、これじゃあまた図書館に通えなくなる……。」


「お前が図書館に通えているのも、あの人の配慮があってこそだ。
文句を言うならここに来れなくなるぞ。」


「違います。ただ少し回数を減らして欲しいだけで……。」


「ダメだ。早くこの実験を成功させなければいけないんだからな。

あぁ、そうか。最近やたら図書館に行きたがり、更に反抗的になったのはあの女子高生のせいか?
あの女子高生がここに来なくなれば前みたいに従順になるだろうか。」


私のことを話してる……?


「何をするつもりですか?彼女は関係ありません。
ただ興味深い本を見つけただけで……。」


「そうか。」


「早く帰りましょう。」


「あぁ。」


ふたりは車に乗り込み、そのまま走り去ってしまった。


“実験”ってなんだろう。

実験をしていたから馨さんは何日も来れなかったってこと?

研究者か何かってことかな?

あ、この前みた注射の痕みたいなのは、実験に必要な何かってこと?


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