ワケありベビーと純真ママを一途な御曹司は溢れる深愛で離さない~君のすべてを愛してる~
ちょうど髪が乾き、花蓮はフガフガと泣き出した歩那の元へ行ってしまう。

「そうだな。親になっているだなんて……いつの間に俺を置いて遠くへ行ってしまったんだろうな」

寂しく呟く。

(家族になるのは、俺じゃなかったのか)
(俺を、愛していてくれたんじゃないのか?)

なぜふたりきりで暮らしているのか、なぜ早間を頼れないのか、聞きたいことはたくさんあった。
けれど、それを聞くのは今ではない。

今は心を安らげてもらわないと。

本格的に泣き出した歩那を、花蓮は抱き上げた。
歩那は目を瞑ったまま甘えるように声をあげる。
これが夜泣きというものか。

「歩那、歩那。ママいるよ。どうしたの。よしよし」

しかし腕が痛いのか、すぐに顔色が悪くなった。

「俺があやしてみるよ」

手を伸ばすと花蓮は目を丸くする。

「いいんですか?」

「もちろん。歩那、おいで」

花蓮は少し迷ってから「では……お願いします」と歩那を預けてきた。
人見知りで泣いてしまうことがあるらしいが、寝ぼけているせいかグズグズとしながらも腕に収まった。
ドキドキとしながら抱きしめる。

抱きしめた瞬間、不思議な感情が駆け巡った。

(なんて可愛いんだ……)
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