メダカなキミ。
二人は店にお金を払い、ポイを受け取った。
「よぉし!2匹と言わず、10匹くらい掬っちゃうんだから!!」
由里が、浴衣の袖を軽く捲し上げて気合い十分でいると、アキラがその隣でプッと吹き出した。
「すげー気合い。」
由里は大人気なくはしゃいでしまったことが恥ずかしくなり、慌てて言い訳をした。
「ほ、ほらっ!目標は高く持てって、よく言われるでしょ!?」
そう言って、由里は晶に向かってポイを構えて見せると、水面に差し込んでみた。
「あ、あれ?」
由里のポイは、何度かメダカを追っているうちに、破れてしまった。
それを見た屋台の年配のおじさんが、ガハハと笑う。
「おじょーちゃん!それじゃいつまでたっても掬えんよ〜。」
「えー。じゃあ、ちょっとだけ!ポイント教えてくださいよー。」
そう言って、由里が店のおじさんとやり取りをしているのを、晶は黙って、微笑んで見守っていた。