鮮血の妖精姫は、幼馴染の恋情に気がつかない ~魔法特待の貧乏娘、公爵家嫡男に求婚されつつ、学園生活を謳歌します~

初めてのジェラシー

 大好き、という気持ちがだだ漏れのアーロンと、そんな彼との婚約を受け入れたものの、どうしたら彼に応えられるのかも、彼の言う「好き」の意味もよくわからないマリアベル。
 二人の関係に「婚約者」という名前がついたことを除けば、二人の関係はあまり進展していないようにも思えた。
 しかし、転機は突然訪れる。

 1・2年生合同での魔法実習の際、マリアベルは、アーロンと親し気に話す女子に対して、嫉妬した。
 感情の種類はすぐに理解できなかったものの、「むむ」と思ったのだ。
 
 これまでのマリアベルは領地にこもりっぱなしで、アーロンに会うときは二人のことが多く。
 王立学院入学後も、自分に笑顔を向ける彼ばかり見ていた。
 そんなことだから、彼が自分抜きで他の女性と話す場面は、あまり見たことがなかったのである。
 マリアベル・マニフィカ。今年で16歳。初のジェラシーであった。
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