鮮血の妖精姫は、幼馴染の恋情に気がつかない ~魔法特待の貧乏娘、公爵家嫡男に求婚されつつ、学園生活を謳歌します~
「この学院は無礼講とはいえ、ベルちゃんも伯爵家のご令嬢だからねえ」

 貧乏娘とはいえ、マリアベルは伯爵家のご令嬢で、コレットは平民の出。
 ミゲルの言う通り、この学院では家柄による力関係などはさほど影響せず、学生同士、対等な立場で接することができるとされている。
 しかし、実際には、権力を振りかざす高位貴族もいるし、出自ゆえに居心地の悪さを感じる者もいる。

「平民の出の私が、マリアベル様に話しかけるなんて、本当にいいのかなって……」

 そう話すコレットは、俯き、自身なさげで。
 マリアベルの前に出てきたことを、後悔し始めているのかもしれない。
 だんだんと、声がしぼんでいく。
 そんなコレットに対する、マリアベルの返しは。

「大歓迎です~~!」

 だった。
 両手を合わせ、ちょっと泣きそうになっている。
 マリアベルのあまりの感激っぷりに、コレットも呆気にとられている。
 マリアベルは、魔法研究会にて、入学後初めてのお友達をゲットした。
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