炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
 今、力を使いすぎて倒れでもしたら、本当に守りたい人をまれなくなる。止めてくれてありがとう」

 ふうっと、ため息混じりの声が耳の傍で聞こえた。

「陛下を守るのは、私のほうです……」

「きみが、俺のためにそこまでしてくれる理由がよくわからない。けど、みんなと同じように、きみのことを守りたいと思っている」

リアムはゆっくりとミーシャを離した。

「ここにいたら、きみが先に凍えてしまう。戻ろう」
「……はい」

 すっと、差し出された彼の手をつかんむ。
 リアムが泉から離れると、突き刺さっていた剣がパキンと高い音をたてて割れ、そのまま煌めきながら崩れて消えた。



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