元皇女なのはヒミツです!

「リナは知らないの?」アメリア様はきょとんとして「エカチェリーナ様は生きているんだって! お兄様が言っていたわ。だから今、お兄様たちが一生懸命探している最中なの。それにお兄様はエカチェリーナ様に会ったときに渡そうと思って、今もお手紙を書き続けているのよ!」

「えっ……! フレデリック様が……?」

 驚いて、息を呑んだ。

 私だけじゃなかったんだ……!

 にわかに胸が早鐘を打った。嬉しくて涙がこみ上げてきて、ぐっと堪えて飲み込んだ。
 フレデリック様もまだ私に手紙を書き続けている。まだ私のことを想っていてくださっている。その事実が胸を打った。

「わたしはね」アメリア様は得意げに話を続ける。「そんなことをしたらエカチェリーナ様の重荷になるわよ、って言っているんだけど、お兄様ったら『リーナも革命後以降の空白の期間の僕の話を知りたいはずだ』って聞かないのよ。おかしいでしょう? 自意識過剰で本当に呆れちゃうわ」
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