元皇女なのはヒミツです!


「いらっしゃい。今日はどんな職をお探しで?」

「ええっと……料理を習ったのでそれを活かせる仕事があれば……?」

「かしこまりました。では、しばしお待ちを」

 職業案内所は街の一角にひっそりと建っていた。人はまばらで職員も手持ち無沙汰にしている。仕事を求める人が少ないということは景気がいいということかしら?
 リーズ王国はアレクサンドル連邦国ほどではないけど、旧帝国の皇女の嫁ぎ先になるくらいの結構な大国だ。きっと国王陛下の手腕が素晴らしいのね。
 ……なんてぼんやりと考えていると、大きな貼り紙が目に飛び込んできた。


【リーズ王立魔法学園入学試験】


「なんですって……!?」

 私は吸い込まれるようにその貼り紙の前へ向かう。そして貼り紙の文字を何度も目で追った。間違いない、魔法学園の入学試験の案内だわ。
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