元皇女なのはヒミツです!

42 フレデリックの手紙③

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親愛なるエカチェリーナ様



 先日、ついに小さなお姫様が社交界のプチデビューを果たしました。
 始めはどうなることかと心配しましたが、付添人を件のアレクサンドル人の特待生にお願いして、彼女のおかげで同年代の友人もできて、一応は成功したと思います。アミィはちょっと我儘なのでトラブルを起こすか危惧していたのですが、杞憂に終わって良かったです。

 ですが、その付添人の子が令嬢たちの嫌がらせに合ってしまい、大変なことになってしまいました。
 今となっては、なぜ僕はずっと二人の側にいなかったのだろうかと後悔ばかり募ります。

 昨日、彼女からアミィの家庭教師を辞めると申し出があったようです。叔父上も従妹も引き止めてはいるようですが、彼女の意思は固く……。

 それもこれも、あの日に自分が上手く立ち回らなかったせいだと悔しい思いで胸が苦しいです。
 思い起こせば君に対してもいつも後手に回ってばかりで、革命の波からも救い出せることができなかった。僕はなんて情けない人間だろうと思います。本当にごめん。
 こんな頼りない自分が、果たして将来リーズ王国の頂点に立てるのかと最近は不安で仕方がないよ。

 ……ごめん、なんだか辛気臭いことばかり書いてしまったね。
 実は、来月にフォード侯爵令嬢との婚約式を執り行うことが決定したんだ。
 僕はもう、逃げられない。

 君は一体どこにいるんだ。
 僕たちはもう一生巡り会えないのか……。



 ………………
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