元皇女なのはヒミツです!

46 燃える思い出

「嫌ぁぁぁぁぁぁっ!!」

 私は叫びながら、ぼうぼうと燃え盛る紅蓮の炎の中に飛び込んだ。

「リナっ!」

 すんでのところでセルゲイがぐいと引っ張って私を制止をする。

「離して! 私の手紙がっ!」

「危ないだろ! 大火傷するぞ!」

「でもっ!!」

 瞳から堰を切ったように涙が溢れ出した。それは滝のように流れて視界を塞いで、炎と手紙の区別がつかなくなる。……いえ、これは手紙が燃えて炎の中に消えていっているんだわ。

 私の手紙――フレデリック様からいただいた数々の言葉が目の前で消えていく。
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