元皇女なのはヒミツです!


「次!」

 私の番が来た。ドキリと胸が打った。落ち着こうと軽く深呼吸をしてから前へ出る。

「受験番号99番、リナです」

 私が名乗り上げた途端に周囲がざわついた。

「なに……平民?」

「どうせ少しばかり魔力があるからって記念受験だろ」

「平民と同じ学校なんて嫌だぁ」

「顔は可愛いんだから入学したら遊んでやれば?」

「まぁっ、可哀想な平民さん。くすくすくす」

「こ、こらっ! 静かにしなさい!」

 私は周囲の雑音は気にせずにそっと瞳を閉じた。近くのグループの受験者の魔法が板に当たる音が響く。
 集中、集中。
 全身の力を抜いて、体内に流れる魔法を指先に誘導する。じわじわと人差し指が熱くなった。
 限界まで魔力が移動したところで、私はカッと目を見開く。
 刹那、私の指先が光った。
 周囲を白く染める。
 次の瞬間、ガラガラとけたたましい音を立てながら、クリスタルの板は粉々に砕けた。
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