元皇女なのはヒミツです!

57 光差す道へ⑤

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「やっぱりアミィにはリーナ先生の授業がもっと必要なようだね」

「あら、そう?」

 フレデリックとアメリアは公爵家の屋敷から逃げるように駆けていた。
 二人の遥か後方には、王宮の騎士たちが全員伸びている。彼らが剣に手をかけた瞬間に、逆上したアメリアが光魔法を暴発させて屈強な騎士たちを一網打尽にしたのだった。

「殿下、こちらです」

 急いで角を曲がるとシェフィールド家の兵士が待ち構えていた。二人は彼に導かれてお忍び用の古びた馬車へ飛び乗って一息つく。馬車は急発進で祭の会場へと走り出した。
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