たとえ君の記憶がなくなっても。



時計の針の音に我に返る。



時間を見れば登校時間が刻一刻と迫っていた。



制服に着替えて全身鏡の前に立つ。



スカートに付いていたゴミを取り、座りジワを伸ばす。



ローファーを履いて玄関の扉を開ける。



鼻をつくのは雨上がりの匂い。



どうやら昨日の夜に雨が降ったらしい。



澄んだ空気が辺りを包むこの匂いは嫌いじゃない。



水溜まりに反射する、絵の具で描いたような青空。


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