たとえ君の記憶がなくなっても。
ふと、視線を感じて顔を上げると正面に、つまり私の家の前にユイトくんがいた。
「ユ、ユイトくん? なんでいるの?」
「おはよう、小林さん。一緒に学校行きたくて待ってたんだ」
「そうなの? あ、大丈夫? 待たせてない?」
「俺が小林さんと一緒に行きたかっただけだから」
くしゃっとした笑みを浮かべるユイトくん。
ユイトくんはクラスでもよく笑っている。
ユイトくんのその笑顔にはどこか懐かしさを感じる。
こういう笑顔を向けてくれる人、いいなって思っていた。
いつか、私にもこの笑顔で笑いかけてくれる人が現れたらいいなと思っていた。
今、ユイトくんは私に笑顔を向けてくれている。
それだけのことがこんなに嬉しいなんて。
この気持ちはなんだろう。
そう思うたび私はユイトくんの傍にいたくなる。