両手でも抱えきれぬ愛で贖えるものなら
Prologue
テーブルの向こう側では、もう今は友達でしかないあなたが、優しく微笑んでいてくれる。

傍目には、二人が恋人同士だった頃と何も変わらないように見えるだろうけれど…きっと、もう私たちは元には戻れない。

何もかも私のせいだ。

一時の迷いだけで別れを切り出すなんて、どうかしていた。

どうしたら、もう一度あなたのもとに戻れるだろう?

たとえ、冷たい言葉で拒まれたとしても、どれだけでも謝りたい、愛している人はあなたしかいないと伝えたい…。

本当の幸せは、失ってみないと気付かないのだろうか?

ほんの少し前の、あの頃の二人に戻りたいのに…。
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